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ヤンゴン愛犬物語 2000/8/22


 日本から犬を連れてきて,ちょうど1年になろうとしている。

 去年の7月日本に帰国した時、預けていた犬がガリガリに痩せて変わり果てていた。それまでマンションで飼ってたいのが、庭犬になってノミもたくさんついていた。それで可哀想なので,何とかしてヤンゴンに連れて行こうと、何度もヤンゴンに電話してどうすれば愛犬と共にミャンマーに入国できるか調べると、日本の獣医さんの健康証明書を英語で用意する事ぐらいで特別難しい事ではない事が解った。それに,何年か前に,バンコクの空港から、ゴールデンレッドリバーをヤンゴンまで送っている人を偶然見た事があったので、書類をそろえて意気揚揚として新しくなった福岡空港に,犬と共に見送りの友人達にあいさつを済ませて、いざ出発!と空港カウンターに向かった。犬は3万円もしたピカピカの檻の中、係りの人が「検疫はおすましでしょうか?」「?」と返事に窮していると、「検疫室までご一緒しましょう。」と優しいお姉さんが案内してくれた。ミャンマーに入国する事ばかり頭にあって,日本側の出国にさいしての書類など何も用意してない。途方にくれている僕に検疫官の優しいお兄さんは、狂犬病の注射を受けた証明書が要ります、という事でその日はとうとう出国できなかった(狂犬病の注射を打って4ヶ月以上1年未満の証明書が必要)。

 三日遅れでやっと出国できて、問題はヤンゴン空港です。前回は、FAX付き電話機が没収されたし、ドキドキしながらカウンターまで行くと、空港職員の人達が大勢こちらを見ている。なんでも空港に顔が利くミャンマー人の友人が、日本から犬が来るという事を事前に知らせてたそうで、その空港職員達が言うには,
「日本から犬が来ると言うので期待してたら、まったくミャンマーの犬と同じだ。」
と言われてしまった。日本では、ちょっと変わった雑種犬だが、ほんとうにヤンゴン市内をウロウロしている犬にそっくりで、毎日リードつけて散歩していると、不思議な顔をされてしまう。

 こうして愛犬ユウは、ふたたび部屋犬になって、この暑い国でたいした病気にもかからず、ぼってり太って来て、散歩のとちゅうでミャンマー人のおじさんに,「妊娠しているのか?子犬が生まれたら,1匹くれよな。」なんていわれている。もちろんユウは,まだ7歳の処女犬である。こちらに来て、ドッグフードを食べなくなったので、家政夫のおじさんが豚肉とご飯を混ぜたエサを工夫して与えているのはいいのだけど、あの日本で見たやせ細った姿から見ると2倍に太ってしまった。今ダイエットさせようとしているのだが、太っているのが可愛いという、世話をしてくれるおっちゃんになかなか解ってもらえない。このまま僕も犬も太り続けるのだろうか?

by 木村 健一

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