上手い話に気をつけよう! by 木尾 公一

2004/1/27

これがミャンマーの弁当箱、タミンジャイ
 ヤンゴンの町を歩くと、金属製の弁当箱を下げた人をよく目にします。丸い円筒形の容器を重ね、蓋をして上下から金具でパッチンと締めれば中身がこぼれることもなく、持ち運ぶのにとても便利な弁当箱です。私はこの弁当箱の熱烈なファンです。なかでも昔シンガポールで買った2段式のものがお気に入りで、毎日弁当を詰めてもらって職場に持っていきます。シマウマの刻印が入ったメイドインタイランドのステンレス製で、長いこと使っていますが、がっしりとしたつくりで全く不具合はありません。またほかにも小型で2段のものや、大型で3段のものなども購入し、アウトドアで食事をするときの重箱のかわりに使ったりしています。初めてヤンゴンに行ったとき、町を往く人々が、この弁当箱を手にしているのを見て親近感を覚えるほど私にとっては身近で不可欠なものです。日本では料理研究家に、おしゃれなお弁当箱として紹介されたこともあり、有名デパートで売っているのを見たこともありますが、結構高い値段が付いていたような覚えがあります。

 今回ミャンマーを訪れるにあたって、もしチャンスがあればほかのタイプのものも欲しいなあと考えていたのですが、ヤンゴンで路上観察中に2段半の弁当箱を持った人を発見したときに、どうしても2段半が欲しくなりました。探し物はまさにこれだという感じです。2段半というのは、普通の高さの容器が2段で、半分の高さの容器がそのうえに1段ついたのもで、弁当がごはん、おかず、デザートという超豪華組み合わせになります。

 さてそれをどこで買うかが問題です。わたしは、とりあえずボージョーマーケットに行けば何とかなるだろうと考え、娘を連れてホテルを出発しました。ホテルはマーケットの裏口に近いのですぐに着きましたが、なかなかお目当てのものは発見できません。ボージョーマーケットは人人人で大混雑、娘はもう歩けないとぐずり始めましたが、こっちはなにがなんでも見つけようという一心で、人混みをかき分けながら前へ前へと進んでいきます。そしてマーケットを通り抜け歩道橋にさしかかったとき、我々はついに発見しました。歩道橋の手すりに弁当箱がずらりとすだれのように紐でぶら下げてあります。赤いシマウマの絵がついたシールが貼ってある2段半がとうとう見つかりました。私は興奮のあまり2段半を2個と、おまけに小型の3段までも即座に購入しました。それも破格の超安値です。シンガポールで1個買うよりずっと安い値段で3個も買えたのです。私は満足感と充実感に浸りながら娘とホテルへ帰りました。

 帰国して、トランクを開き荷物の整理をしながら、ひとつひとつ買ってきたものを取り出すのはとても楽しい作業です。気だるい疲労感の中にも、楽しかった旅の思い出がほんわりじんわりと甦ってきます。私は幸福感に浸りながら3個の弁当箱をテーブルの上に並べました。赤いシマウマのシールにタイランドと書いてあります。合理的な構造、無駄のない機能美、そして使いやすい‥‥ありゃ、なんだかへんだぞ。前から持ってる弁当箱に比べるとえらく軽いし、ペコペコだし、押すとくにゃっと変形するし、蓋はきちんとしまらないし、金具もずれているではないか。急遽気分を変更し、てのひらを返すように疑いのまなざしで、顔をぐっと近づけて刻印をよーく見てみると、なんとそれはシマウマ印ではなく、そっくりさんのウマ印だったのです。つまり人目に付きやすいシールはシマウマ印タイランドが貼ってありますが、でも本体はペコペコのウマ印だったわけです。ああ、しまった、調子に乗って3個も買うんじゃなかったと悔やみつつも、やがて心はまあいいかのほわほわムードに戻って、早く弁当持っていきたいなあなどと思い、金具を開けたり閉めたりしながら充足された物欲に旅の達成感をおぼえる私でした。

 アジアの都市を旅すると、必ずと言っていいほどニセモノコピー屋が近寄ってきますが、私は未だかって一度もコピー商品を買ったことはありません。それは私のポリシーだからです。しかしそのポリシーも今回の一件であっけなく覆されてしまいました。わたしはブランド品のコピー商品を安く購入した上に、販売目的ではないにせよ日本に持ち込んでしまったのです。杞憂かもしれませんが、法に触れる犯罪行為に該当するのかもしれません。とはいえとりあえずシマウマ印のシールを剥いでしまえば、これらはただのウマ印の弁当箱になるわけで、まあそれはそれでいいんじゃないかかと一人で納得し、とりあえずシマウマの件は無かったことにしようという結論にいたりました。

by 木尾 公一

木尾公一(このお こういち)氏の紹介
 木村の高校の同級生、といっても同じクラスになった事が無く、本当に仲良くなったのは、木尾君が親子3人で3回もヤンゴンに遊びに来てくれてから。最初の来緬は娘さんが3歳の誕生日の前で、今は7歳で両親がでかいので娘さんもこちらの13歳の男の子より背が高い。ボンジョーマーケットを娘さんと2人なのは、奥さんが腹痛でその日1日だけホテルでお休みになってました。この家族が、ものすごくグルメでグルマン。ヤンゴンでグルメ旅行を提唱している人達で、本当に良く食べてました。

*因みのこの弁当箱、木村も愛用してまして。ミャンマー語でタミンジャイといいます。

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